マットレスづくりは、
機械づくりからはじまった。
日本ベッドは1950年代前後から、自分たちで工夫した機械でマットレスを生産していました。1970年代の後半には、海外に行く人が増えて、外国のホテルのベッドは寝心地が良いと評判になりました。
海外メーカーも日本でベッドの販売を始め、日本ベッドとしては負けていられない。先輩や自分を含めた3~4人で「海外メーカーの寝心地に負けない製品づくり」が始まったんです。
当時はそんなものをつくれる機械もなくて、機械開発から始めなければなりませんでしたが、情報がなくて苦労しました。ゼロからつくろうにも、やり方が合っているか、間違っているかさえわからない。
情報を集める手段は展示会しかなくて、ベッドや家具に限らず食品業界など、あらゆる展示会を飛んで回りました。機械がどういうふうに動いているか、そういうアイデアをもらえる場が展示会だったんです。
今、工場にはいろいろな機械がありますが「当社にしかありません」というものは、すべてそういうところからヒントを得てゼロからつくったものです。
今のコイリングマシン、ポケットコイルのスプリングをつくる機械ですが、これも全部ゼロからつくっています。日本ベッドの現在の主力製品である「シルキーポケット」というマットレスが完成するまでに、結局トータルで35年ぐらいの年月がかかりました。